相続における寄与分ってなに?


 
相続人になる人の中には、何年も被相続人の介護をしてきたという方もいらっしゃるでしょう。会社を引き継ぎ持ち前の経営手腕で業績を伸ばしたという方も、いらっしゃるかとおもいます。
被相続人のために身を削って働いたのならば、他の相続人より多くの財産を得るのは当然です。被相続人の為になり身を粉にして働いた人に対し、多くの財産を受け取ることを「寄与分」と言います。

相続において寄与分が認められるのは、「共同相続人による寄与行為」「寄与行為が特別の寄与」「被相続人の財産の維持や増加があり、寄与行為との間に因果関係がある」です。結局何が寄与分として認められるのかわからないので、もう少し簡単に説明しましょう。
例えば被相続人は生前に農業を営んでいたものの、体調不良が理由で息子に農業を継がせたとします。息子は親から継いだ農業を一生懸命に取り組み、利益を生み出すことができました。農業を引き継いだ息子は被相続人である親の農業を引き継ぎ利益を出したので、寄与分が認められます。他にも子供が被相続人となる親の介護を承り、介護費用も負担していたら寄与分が認められる可能性はあります。一緒に同居し、被相続人の生活を賄っていても寄与分が認められる可能性はあります。ただ同じ屋根の下で住んでいる親族はお互いに生活を賄わなければならない義務が課せられており、寄与分が認められるかどうかは微妙な所です。

ただ寄与分が認められ相続財産が1人の相続人に多く行き渡ると、トラブルの元になる恐れがあります。他の相続人が話の分かる人ならばまだしも、寄与分に納得できないという方も当然いらっしゃるでしょう。一度トラブルが起きてしまうと、相続の手続きは上手くいきません。そこで相続手続きを簡素化するためにも、「被相続人のために頑張って働きました」という物的証拠を用意しておくのが懸命です。
被相続人の事業を受け継いで働いてきたのならば、タイムカードが何よりの証拠になります。自営業で働いていたがためにタイムカードを用意するのが難しいのなら、取引先との連絡履歴を残すなどをして「被相続人の事業を引き継いだ」という証拠を準備しましょう。また被相続人の介護に従事したのならば、被相続人の介護度がわかるものや介護の記録も証拠となります。

寄与分だけに限らず、相続の手続きを簡素化するためには事前の準備は欠かせません。
「今は関係ない」という声もあるでしょうが、相続は”今は”関係なくても”いつかは”関係することです。