遺産相続で起こる「寄与分」ってなに?

遺産相続をするときに「寄与分」と呼ばれるものが発生することがあります。
これはどういうものかと言うと、簡単に言えば被相続人に対して生前貢献したので多めに財産を相続できる分です。
今回はこの寄与分について説明していきますから、これから遺産相続する可能性がある方は目を通してみてください。

最初に冒頭でも触れましたが、寄与分とは被相続人に対して生前の貢献が認められたものであり、誰もが該当するわけではありません。
寄与分をもらうためにまず大切なのがこの「被相続人に対してどれだけ貢献していたか?」という献身性です。
貢献性にもいろいろな形があると思いますが、寄与分に関しては以下のような形だと認められることが多いと言われています。

1:共同相続人による貢献、2:貢献が特別であった場合、3:被相続人の財産を守るあるいは増やすための貢献があった場合などがあげられます。

ひとつめの「共同相続人による貢献」とは複数いる相続人の中で一部の人のみが被相続人に対して貢献していることで、たとえば長い間事業を手伝ってきたというのはすべての項目に当てはまる寄与行為になるでしょう。
また事業のための資金提供を被相続人に対して行っている場合、これも大きな貢献と言えますから寄与分が認められる可能性は高くなります。

そして近年特に増えてきているのが被相続人に対する介護で、これは長期間に渡る介護になると献身性が認められて寄与分がもらえる可能性が高くなります。
ただし、介護に関しては見解が分かれる部分もあって、たとえば自宅で介護をしていた場合、ホームヘルパーやデイサービスを利用していたとすると献身性に疑問を呈されることがあるそうです。
介護サービスを利用していなかった場合でも介護期間が短かったり、それほど大変な介護でない場合は寄与行為に当たらないと判断されることもあるので、ここは今後制度の明確化が必要になると言えるでしょう。

寄与行為で重要になるポイントには先ほどから説明している「献身性」、そして「無償性」や「継続性」というのもあげられます。
無償性というのはいわゆる報酬が発生しない貢献というこで、自宅で介護していたときに被相続人の財産によって生計を立てていた場合は寄与分に該当しない可能性が高くなります。
また、事業の手伝いをしていたとしても十分な報酬を得ていたのであれば貢献にはなりますが、相当の対価を得ているので、そこにプラス寄与分が入るのは不公平なイメージがありますし、まず認められないでしょう。

そして継続税という部分では目安としておよそ3年から4年というのがあり、これは介護期間などを見るときに適用される基準です。
ただ介護期間が2年足らずであったとしても要介護度が高く、かなり献身的な介護が必要になった場合は献身性が認められると思いますので、寄与行為にあたる可能性があります。
仕事を辞めて介護にあたっていたのに、遺産相続時に何もしてこなかった法定相続人と同じだけの相続分では不公平ですし、献身性はかなり重視されることが多いです。

寄与分が認めらる形としてはいくつか事例があって、まずは家事従事型と呼ばれる被相続人の事業をほぼ無償で手伝っていたケースです。
これは被相続人の財産を増やすことに積極的な貢献があったわけですから認められて然るべきですし、農業や商業、法律関連の資格職をほぼ無償で手伝っていたとすると寄与行為にあたる可能性は非常に高いと言われています。
次に被相続人の持つ不動産をほぼ無償で管理していた場合も寄与行為に該当している事例があり、これは本来管理すべき被相続人に対して大きな貢献があったからです。
このように寄与分が認められるケースは何パターンかありますから、もし被相続人の生前に何らかの貢献をしているなら寄与行為にあたるのか確認してみてもいいでしょう。

ただしこういった問題は大きなトラブルに発展する可能性も高く、被相続人が亡くなってから話し合うよりも、生前にどうするのか決めておいたほうがいいと思います。
たとえば介護の問題にしても介護期間と介護の献身性で揉める可能性がありますし、本来相続する割合が変わってくるので認められても認められなくても後味は悪くなります。
遺産相続問題はそれまで仲の良かった家族を険悪な関係にしてしまうきっかけにもなりますので、トラブルにならないためにも早くからきちんと決めておくことをおすすめします。

話し合いをする際には口だけで決めるのではなく、きちんとした形で残しておくと証拠にもなりますのでいいかもしれません。
また、遺産相続問題や相続税に詳しい専門家に相談しておくと、いろいろなケースが想定できますから事前にトラブルを防ぐこともできます。
最近ではホームページを持っている法律事務所も多いですし、メールで無料相談を受け付けているところもありますから、トラブルになるかもしれないなと感じることがあったら相談してみましょう。